お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

21話 星空の下で


天井に映し出された星空の下で、慶介さんとシャンパンで乾杯をした。
「フランスのシャンパーニュ地方じゃ、シャンパンを飲むことを
『星を飲む』って言うんだ」
そう言って彼は、グラスの中ではじける星たちを見つめた。
ロマンティックなシチュエーション、うっとりするようなセリフ。
今まで何人の女性に、こんなセリフをささやいてきたんだろう。

宇宙を横切る天の川が、輝きを強めた。
東京の空では決して見ることができない、星の密集。
吸い込まれそうなくらい、きれい。
作られた星でも、いい。
輝きのない灰色の夜をすごすより、
イミテーションのきらめきに彩られたい。

慶介さんがソファに身を沈めると、ふいに肩が触れ合った。
そのわずかなぬくもりに、体中の感覚が全て集中する。

彼が誠実な人でも、遊び人でも、どちらでもいいような気がしてきた。
だって彼は、単調に繰り返される私の日々を、
きらきらと輝かせてくれる。
こんな風に、肩が触れ合うだけで、
ときめくことができるなんて。

お役立ち情報[PR]