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14話 美しくなければ


童顔の男性が、ハーフらしい男性に言った。
「大分、体が引き締まったわね」
……わね? この言葉づかい、もしかしてゲイ?
ハーフらしい男性が、美しい微笑みを見せる。
「まーね。ウツクシクなければ、存在する価値がナイじゃない」
ドキッとした私は、マシンを離れて2人から見えない場所へ行くと、
ちょっとたるみ気味の二の腕をつまんだ。

帰りに、2人で入会申し込みをした。
「意外。茜、ジム来るの嫌がってるっぽかったのに」
「来てみたら、やる気になったの。きたえなくちゃ」
リョーコはうなずき、
「25歳をすぎたら、お肉は重力に負けちゃうからね」
と言いながら申込書にサインをした。

自分のスタイルを気にするなんて、しばらくなかった。
自分の中の女が目覚めたような、不思議な気分だ。
慶介さんに出会ったせいなのだろうか。
それとも、錆びていた時計の針が、動き始めただけなのだろうか。

恋をする心の準備はできている。
——けれど、携帯は鳴らない。

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