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13話 心に残る人


スポーツクラブがある場所は、
この間、慶介さんと歩いた通り沿いだった。
彼が働く六本木ヒルズのすぐ近く。
もしかしたら今日も、彼はあのビルにいるかもしれない。
——エレベーターの中のキスがよみがえる。
忘れようと思ったのに、これじゃ逆効果だ。

「リョーコのせいだからね」
「なにが?」
「慶介さんのこと、思い出した」
「そんなに好きになっちゃったわけ? 1回キスしただけで。
Hする前の『好き』なんて、恋愛のうちに入らないよ」
キスって、そんなに小さなことなのかな……。
「恋に落ちた」と言えるほど、強い感情が生まれたわけじゃない。
ただ、ぼんやりと浮かぶ影絵のように、彼の存在が心に残って離れない。

受付で手続きを済ませると、手首にビジター用バンドを巻かれた。
軽くトレーニングマシンを試してみる。
横を見ると、隣のマシンにものすごくきれいな顔をした男性がいた。
深い二重にすっとした鼻筋。ハーフらしい。
見とれてしまいそうになって、あわてて正面を向いた。
すると、かわいい系の日本人男性がきて、その男性に話しかけた。
このスポーツクラブ、イケメン率が高い。

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