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11話 ありえないBlue Rose


嬉しいことがあったときと、嫌なことがあったときには、
プリザーブドフラワーを作る。
キスをした翌日もやっぱりプリザーブドフラワーを作るために、
薔薇を青い溶液にひたした。

慶介さんと先週土曜日に会ってから、1週間が経った。
携帯を手に取り、彼にもらったメールを開く。
『会えて嬉しかった』
私の胸をときめかせた、短い1行。
このメール以降、なんの連絡もない。
私には大事件のキスも、
彼にとってはよくある気まぐれだったのだろうか。

ため息とともに携帯を閉じ、
プリザーブド溶液の中から青い薔薇を取り出した。
ブルーローズ——この世に存在しない青い薔薇。
英語で「ありえない」という意味の慣用句だったのに、
遺伝子組み換えが可能になった今は「奇跡」という意味に変わった。
この世には、いくら願っても叶えられないことがある。
それでも希望は捨てたくない。
奇跡が起きると、心のどこかで信じていたい。

携帯が鳴った。

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