お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

7話 最後の恋


恋人だった崇の言葉や態度に、一喜一憂していた大学時代。
あのとき私は、確かに恋をしていた。
卒業してからも、崇のことで頭がいっぱいだったのに。
崇は「忙しい」が口癖になって、すれ違うようになった。
会いたいけど会えない、そんな切ない日々が続いた。
そして、社会人1年目の秋、神宮の銀杏並木を歩きながら別れ話をした。
恋の終わりとともに、枯れ果てるまで涙を流した。

半年後、リョーコに紹介された人と付き合って、すぐに別れた。
しばらくして付き合った、合コンで出会った人とも、半年もたずに終わった。
どちらと別れたときも、涙は出なかった。
恋をしたつもりでいたけど、きっと本当の恋じゃなかったんだと思う。

あの秋、銀杏の木の下に、私は「恋する心」を埋めてしまったのかもしれない。
苦しくて、切なくて、会いたくて、会えないと涙が出てくる——、
そんな恋は、もう二度とできないのだろうか。

慶介さんから誘いのメールが入ったのは、翌日の土曜日だった。
会ったのは真夜中だから、その日のうちとも言える。
『今日の夜、食事に行こう』
『ずい分、急ですね』と、そっけないメールを返した。

お役立ち情報[PR]