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3話 心の奥の憧れ


声をかけてきた男性は、パッと見、全てが整っていた。
爽やかな笑顔、質のいいスーツに磨かれた靴、
背が高くてバランスのとれた体つき。
もう1人は少し背が低いけど、やっぱりイイ男の部類。
きっと、女性にモテるんだろうな。

だけど、2人ともノータイで、
シャツのボタンを2つ外しているのが気になった。
私が勤めているのは、おカタイ鉄鋼会社。
男性社員はみんな、夏でも冬でもネクタイをビシッとしている。
それを見慣れているせいか、ネクタイのない首元は好きになれない。

私が黙っていると、いつもはツンとしているリョーコが愛想良く答えた。
「初めて来たの。ステキな場所があるって、友だちに聞いて」
嘘つき、何度も来てるくせに、と心の中で笑う。

リョーコは気に入った男の前では、まじめでカタい女のフリをする。
逆に、本当にまじめでカタい私は、それを悟られまいと背伸びをしがち。
お互い心の奥で、自分と逆のタイプに憧れているのかもしれない。
だから、こんなに正反対な性格なのに、
私たちの友情が続いているんだと思う。
背が高い方の男性は慶介、もう1人は修也と名乗った。

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