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星影のビート-1

通りを歩く人みんなが、驚いた顔でこちらを見る。
そりゃそうだ。ヘタすると当人より背負ったリュックの方が大きい。

中身はぜんぶ、キャンプ生活の備品。
明日から4泊5日も続く、ロックフェスティバル参加のためのものだ。

たまによろけながら、一歩一歩踏みしめるように歩くと、
コンビニの看板が救いの女神のように見えてきて、
その下に今回乗せてもらう、ワンボックスカーがとめてある。

「どーもー、お世話になります!」
「お、日名子ちゃんだね。貴子ちゃんもう来るから」

ヒゲの優一さんとは、今回が初対面。友だちの貴子の知人だ。
夏とはいえ、4泊5日も休める社会人はそうはいないから、
みんな毎年、友人知人のそのまた知人にまで声をかけ、足を確保する。

車に荷物を積み入れると、貴子が知らない誰かとやってきた。
「やーん日名子、元気!? あ、紹介するね。
 この人、優一さんのお友だちで、イチさん」

「こんにちはイチです。一二三の一と書いてハジメと読みます」

イチはセルフレームの眼鏡が似合う、真面目そうな男性で、
服のセンスもよく、わたしは初対面ですぐに気に入ってしまった。

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