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14話 美人のオーラ


その夜は、広報とテレビ関係者がメインの飲み会だった。
私の担当は主に紙媒体なので、今日は知らないメンバーが多い。
名刺交換をしながら、「どんなお仕事をされているんですか?」
「今、何が流行ってますかねー」といつも通りの会話を展開する。
1人、ものすごい美人がいた。
はっと目を引く華のある顔立ち、黒くてつややかな長い髪、
上品なネイルを施した細い指先、なにもかもが洗練されている。
「はじめまして」
名刺をもらって納得した。外資系の有名ブランドの名前が刷られている。
化粧品でも有名なグローバル・ブランドだ。
「スゴイですね、尊敬します。実力主義で有名な会社ですよね」
「ええ。採用される記事が少ないと、減給や解雇もありえるの。
でも今のところ、なんとかがんばれてますけど」
なんとかがんばっているって感じじゃない。
仕事が充実しているってオーラが出ている。
この人に比べたら、私なんて……。
いい仕事をしている、と誇りに思ってがんばってきたのに。
女としても、ビジネスマンとしても、自信がしぼんでいく。

美女は私に「では、また」と挨拶し、他の男性と名刺交換をはじめた。
引き戸が開く音がしたので、ふりむいた。
え、入り口に立っている人って、まさか……藤木さん!?
こんなところで会えるなんて、「運命」という言葉が頭をよぎる。
店内を見渡す彼の視線が一瞬、私に留まったと思った直後、
さっきの美人が嬉しそうに駆けよった。
【登場人物】
一之瀬莉緒(28) 化粧品会社の広報。ニューイヤーのカウントダウンのため、1人NYを訪れ……。
藤木和哉(29) テレビ局のディレクター。NYのカウントダウンで莉緒と知り合う。
古川渉(29) 食品会社の広報。仕事がらみで莉緒と知り合いに。時々食事に行く仲。
奥村千紘(52) バー「ブパサニワット」のオーナー。
大谷美紀恵(33) 莉緒の上司。

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