明日をさがして!-7
それでもさすがに昇治との付き合い方は、もっと考えなくてはいけない。
わたしが自分のペースで行動すると、人との関係は必ずこじれるから。
思い余って、数少ない友人のひとりである翔子に連絡した。
「食事?いいよー。鍋がいいなー。洋食は男と食べるし」
能天気なメールの返事から、ちゃんこ鍋屋で会うことにした。
鶏がらスープの湯気の向こう、翔子は「鶏入れて。野菜はまだ」など
高飛車な態度で、アレコレ細かく指示をだした。
わたしは忙しく手を動かしながら、翔子に今までの経緯を話した。
「珠恵が失敗するのはさー、自分の頭の中だけで済まそうとするからだよ。
ちゃんと手帳につけておけば、何にも問題ないのに」
そういって翔子は、彼女のスケジュール帳を見せてくれた。
一カ月見開きの手帳には4色の蛍光ペンで、予定がびっちり書き込まれている。
「うわっ、せせこましい!」
「まっ、せっかく見せてやったのに、なんていい草!」
翔子はいきなり菜ばしをとり、思わず本音が出てしまったわたしの手の甲を、
音をたててピシャリとたたいた。
「だからー、要は気持ちの問題じゃなくって、生活の仕方の問題なんだよ」
その菜ばしで肉団子をよそいながら、翔子はわたしに笑っていった。
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