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明日をさがして!-6

その後、ふたりで映画を見た後、夕食を食べて別れた。

休日出勤の後に泊りがけでデートをすれば、普通クタクタなはずなのに。
昇治といるととても気持ちが落ち着いて、ちっとも疲れたりしない。
改札口で手を振るシルエットを見たら、駆け戻りたくなったくらいだ。

そういえば彼とはじめて出会ったのも、この路線の電車の中。

あれはまだ暑い頃、わたしが電車でよろけたとき、
トートバックに入れていたペットボトルのフタを閉め忘れていたため、
となりに立っていた昇治の背広に、お茶をジャブジャブかけたことがあった。

こんなマンガみたいなバカな失敗が、現実に起こるなんて。

自分からお茶をかけておきながら、わたしはしばらくポカンと口を開けて、
昇治の背広に広がるシミを、ただ眺めていた。

彼は一瞬だけ驚いていたが、あとは他人事のようにクスクス笑っていた。

その後わたしは、平謝りして、携帯のメールアドレスを交換してもらい、
背広をクリーニングに出させてもらったのが、付き合うきっかけだ。

人事の仕事は覚えることがとても多くて、今も電車の中で
業務の段取りを復習したり、社会保険や人事データの本を読むのに夢中だ。
だからつい、目の前のことがおろそかになってしまう。

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