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guest119「マスターの場合」



13:55。

ランチを求める客から、
単なる1杯のコーヒーやスイーツを
求める客に切り替わる時間だ。

今日もそんなには混まなかった。
この店にやってくる客たちは、
そんなこの店を気に入っているのだろう。
店内に入ってきて、他の客がいるのを見て
驚いた顔やがっかりした顔を見せるのは
ひとりやふたりじゃない。
彼らはめったに他の客と会わないこの店に、
居心地の良さを感じているのだ。

「いらっしゃいませ」
来客を知らせるベルが鳴り、
スーツ姿の女性が入ってくる。
はじめて見る客だ。
彼女は店内を見回して、
他に誰もいないことを確かめると、
ほんの少し表情を和らげた。

ここにもひとり。
家ではない、流行りの店でもない、
どこかひとり占めできる場所を求めていたのだろう。

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