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guest110「合わない男」



彼との待ち合わせに、もう1時間以上も遅刻している。
接客業の彼と、普通の会社員の私。
彼が今の会社に就職してからというもの、
夜ご飯を一緒に食べられるほど、
長い時間一緒にいられたことは数えるほどしかない。
そんな貴重なデートの日。
一カ月ぶりのデートの日。

きっと周りの人からは、そんな風には
見えていないことだろう。
足取りは重く、表情はもっと重たい。
今日は彼に、ずっと思っていた
“あのこと”を伝えようと思っている。

いつもの待ち合わせの場所である
「天国」という喫茶店がだんだんと近づいてくる。
店の前にはふてぶてしい白ネコが、
入り口をふさぐように横たわっている。
またいだ瞬間、そいつが顔をあげて「ニャー」と鳴いた。
それは抗議しているようでも、
「まぁ、がんばれよ」と言っているようにも見えた。

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