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guest26「腐女子の恋のはじめ方」


「何かがおかしい」
熱々のコーヒーを一口すすって、思わずそうひとりごちた。
かと言って、別にこのコーヒーがおかしいわけじゃない。
一杯400円のおいしいブレンドコーヒーだ。

「何かがおかしい!」
そうつぶやいたのは、私の25年の人生についてだ。
中高一貫教育の女子高に通って、
平均より上めの大学に進んだ。
そして現在は、平均より知名度のある企業で
社会人3年目の生活を送っている。
何かがおかしいと呟いてみても、
きっと誰も理解してくれないだろう。
一体何がおかしいのかと、
言われてしまうかもしれないけれど、
でもやっぱり何かがおかしい。

「ふう」
大きなため息をつくと、
店のマスターがくすりと笑い、
ひとりきりだった時間が、少しにぎやかになる。
だからこの店が好きだ。
東京駅近なんて好立地にある喫茶店。
なのに、田舎の駅前にある喫茶店よりも
はやっていないこの雰囲気。
私はいつも、実家に帰るような気分で、
この店にやってくる。

出勤前にも、
今日みたいに残業を終えてやってきても、
いつでも店は開いていて、
コーヒーのいいにおいを漂わせている。
落ち着く内装、枯れ系のステキなマスター。
おいしいこだわりのコーヒー……。
こんなにもステキな条件がそろっているのに、
この店の扉を開けるたび心配になるほど人がいない。
「お前は私か」と、
わけのわからない突っ込みを店にいれる、今日この頃。
ここは、「天国」。

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