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guest25「第二新卒?」


大学の入学式のときに作ったスーツが苦しい。
「ふぅ……」
丸の内で行われた就職説明会を終えて入った、
「軽食・喫茶 天国」と書かれた店の
白いイスに腰かけた途端に、
ウエストに食い込むスカートに驚かされた。
「ナポリタンください」
それでも食欲が旺盛なのは、
健康な証拠だと思うことにしよう。

店員が一番似合うと言っていた
紺のリクルートスーツが、
すっかり似合わなくなっている。
それは5kg太った体型のせいか、
日焼けした肌のせいか。
それともすっごく単純に、
入学式から6年も経って、
紺色が似合うような初々しさが失われたからか。
多分ちょっとずつ、その全てだろう。
こんなことなら黒のスーツにしておけばよかった。

高校を卒業したての18歳の頃、
ひとり暮らしの野望はかなわず、
私は松戸の実家から大学に通うことになった。
「いいじゃない。そのほうが、
お金だって自由に使えるんだから」
母はそう言って私を説得した。
そして私が、「じゃあ、実家から出ない」と言ったときには、
うれしそうな顔を見せたものだ。
でも本当は、口で言っているほど
ひとり暮らしにこだわっているわけじゃなかった。
家に帰ったら、ご飯が出来ているありがたさを、
もうしばらく味わっていたかった。
痩せ気味の体に、はじめてのパーマ。
そして紺のリクルートスーツで、
私の大学生活ははじまった。

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