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小さな灯-10

「おかえりー」
ドアを開けると、裕道のおだやかな声が聞こえてくる。

「ただいまー。またムカツク営業のせいで、残業になっちゃったよ」
「うん、おつかれ。今日はお好み焼きだよ」

最近、お腹のまわりがタプタプしてきたかも、と思いながら、
今夜も炭水化物中心の遅い晩御飯を食べ、発泡酒の缶を開ける。

「わー、すごっくおいしい。ヒロミチ天才!」
焼き立てでもないのに、お好み焼きはふわっと柔らかい。
いったいどうやって作るんだろう。今度、教えてもらわなきゃ。

といいつつも、どうしても愚痴が出てしまう。
「まったくっ、あんなメチャメチャなやり方、うちの部門だけよ!」
「でもまあ、これだけ働けば残業代が期待できるね」

「まっ、地方公務員はおヒマでうらやしいこと!」
しまった。ついキツい言い方をしてしまった。

すぐには謝れなかったが、でも彼の隣で横たわったとき、
「ゴメンね、嫌味な言い方しちゃって」と耳元でささやいた。

「一緒に暮らすと、すぐに大事なことがいえるから便利だね」
そういわれて、わたしはそっと裕道の手をにぎりしめた。

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