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小さな灯-8

本来は、領収証は精査しやすいよう、
きちんと裏か別紙に貼り付けて、提出することになっている。
だが目の前には、クリップで留めただけの領収証の束が。

この束と伝票の内容が、毎度合わないのだ。
それに領収証にまじって、ただのレシートだって何枚もあるはず。

でも正直いうと、木崎さんに注意するのは恐い。
たまに若手の営業マンを叱っている声が聞こえてくると、
その大きな声と迫力で、わたしも震え上がってしまう。

それに今まで何度も伝票の話はしたけど
そのたびに短くドスのきいた、イヤな返事を何度もされてる。

もう、いいたくない。どうせいっても聞かないだろうし。
……ああ、でも仕事だからいわないと。
毎回毎回、遅くまで残業させられる派遣の人も気の毒だ。

わたしは小さく深呼吸をすると、立ち去りかけた木崎さんに、
思い切って声をかけた。

「すみません、領収証はちゃんと伝票の裏か別紙に、
 貼り付けにしてください」
木崎さんは一瞬立ち止まったけれど、こちらを見もしないでいった。
「いいから、それでやって」

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