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小さな灯-6

「何が一番キライって、お金にルーズな男がイヤっ。サイテー!」

結局今日も残業で、家についたのが21時を回ってしまったわたしは、
発泡酒を飲みながら、裕道の作った焼きうどんを食べている。

どう考えても、夜遅くにカロリーオーバーなはずだが、
ストレスと裕道の料理の腕が、わたしを食に向かわせる。

彼の作る焼きうどんは、麺にからみついた卵の火の通り加減や、
お醤油と出汁のコンビネーションが絶妙で、むちゃむちゃおいしい。
当人は「麺つゆで炒めただけ」というが、
わたしではこの味は絶対に出ない。

「女性の営業さんも、やっぱり伝票が雑なの?」
「そんなことない、彼女たちは完璧。でも、木崎ににらまれるのが
 恐いから、他の人にまで注意はしてくれないのよ」

「そっか、大変だね。今は市民の皆様がしっかり見ているから、
 市役所だってやたらな経費は、まったく下りなくなってるのに」
「そうでしょー」
「おかげで自腹になることも多くて、参るけどね」

裕道は、まるで外国人のように肩をすくめて笑った。
わたしは不意に裕道が、ものすごくいとおしくなって、
空になったお皿を下げにいくついでに、彼の頬に小さくキスした。

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