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小さな灯-5

木崎さんの小口費用精算の伝票はかなりでたらめなのだが、
あろうことか他の営業マンもそれに習い、上司も見て見ぬふり。
今回のミーティングでも、派遣さんからさまざまな意見や文句が出た。

「税務署から査察が入ったら、困るのはこの会社の方だと思うのです」
まったくごもっとも。おっしゃるとおりだ。

また再三提出されるずさんな伝票のせいで、小口費用精算の経理担当は
なかなか収支を合わせることができない。

そのため担当者には毎月末、21時過ぎまでの残業を強いている。
この残業が元で、辞めてしまった人もいた。

精査をしなくてはならないわたしも、当然残業となる。
まあそれは仕方がないが
でもこんなずさんなやり方がまかり通るのは、ここだけだ。

わたしは伝票のいい加減さを派遣さんたちに謝罪すると、
彼女たちの声をまとめて、上司の柏峰部門長への報告書類を作った。

「また今月も同じ件なんですが、小口費用精算の伝票を、
 きちんと書くように、みなさんに徹底させいただけませんか」
「わかった。とりあえず、言うだけは言っておくから」

柏峰部長は頭のてっぺんの髪は薄いが、決して鈍感でも傲慢でもない。
ただ社内の力関係によって、発言権が弱いだけだ。

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