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小さな灯-3

そんなわたしの頬を、裕道の言葉がなでていく。
「あなた、やさしい人なんですね」

その後、わたしが彼にタイピングソフトを貸してから、
ごく自然に二人の交際がはじまった。

地方公務員の裕道は、温厚で、中庸で、
ところどころ頑固な部分もあり、でもとてもやさしい人。

だから、派遣から契約社員に移ったわたしが、
会社の帰りに痴漢に襲われそこなうと、ひどく心配していた。

「日向子ちゃんのことは、ぼくに守らせて」
それから、わたしは裕道と暮らしている。

今日もこれから、ブランチの後片付けが終わったら、
1週間分の食料をスーパーに買出しに行く。

裕道が大きな手で、テーブルの上のパンくずをチラシの裏に集めてる。
くたびれたTシャツのすそが、彼の動きとともにゆれた。

そうして、あれやこれやと買い物をすませ、
シネコンで肩のこらない映画をのんびり見たあと、
家に帰るともう、国民的アニメのエンディングが流れる時間だった。
楽しかった休日はあっという間に終わりを告げる。

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