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小さな灯-2

「いっただっきまーす」
TVでは新しくオープンになった、大型雑貨店の潜入レポートが映る。
トーストにかじりつく裕道は、やはり出会った日と同じように、
かなりの猫背で食卓に座っている。

彼との出会いは、まだわたしが派遣をしていた頃のPower point講習会。
やはり今日と同じように、かなりの猫背でパソコンに向かっていた。

そして彼は、左手と右手それぞれ指一本づつで、キーボード入力していた。
しかもその二本の人差し指が、恐ろしいスピードで動いている。

隣の席に座っていたわたしは、彼の妙技にしばらく見とれてた。
そして入力を終えた裕道と、思わず目が合う。
「その……すごい早さですね」

「ええ。でもこれだとやっぱり普通の人より遅いし。
 それに、ときどき突き指しちゃうし」
「えっ、危ないじゃないですか。ちゃんとブラインドタッチ覚えましょうよ」

すると裕道は、クスクス笑った。
「いや、ごめんなさい。さすがに突き指はしません。ウソです」
ワンテンポ遅れて、わたしはやっとからかわれたことに気づく。

中高大と学生時代にずっと友だちにいわれ続けた
「日向子はまじめすぎ」の言葉が耳によみがえった。

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