お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

なんで私が?-12

「かわいいでしょ、彼女。これで帰ってすぐ結婚できるよ」

女は23歳だというが、童顔でどう見ても中学生にしか見えない。
その後の宴は当然、お通夜のようにしーんとしてしまった。

「あーあ、やられた。あんなロリコン、こっちからお断りだって」
飲み会の翌日、わたしたちはひさしぶりに場の屋上に集まり、
お弁当を食べ終わると、あてどなく景色を眺めていた。

だが弥生が、わたしと恵美にいいにくそうに話を切り出した。
「わたし、東京のアンテナショップ勤務が決まったの。
 どうしてもって社長に直訴して、やっとOKが出て……」

うらやましくない、といったら嘘になる。
でも弥生は自力で運命を切り開いたのだ。文句はいえない。

「わたしもボチボチ、お見合いパーティに出て婿でも探すか」
 手すりにもたれた恵美が、ため息をつきながらいう。

「わたしは……セラピストになりたい。
 仕事先でもスクールでも探して、もう一度人生をやり直す」

恵美への答えに自分でも驚いた。でも叶えがいのあるいい夢だ。
わたしたち3人は、はるか未来を眺めるかのように、
遠く広がるふるさとの風景を、再び見渡していた。

                            (おわり)

お役立ち情報[PR]