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なんで私が?-6

帰りのタクシーに3人で乗り込むと、突然、弥生がいった。
「わたしは綾瀬さんと結婚して、東京で暮らす」

そのきっぱりした口調に、恵美もわたしもウッと言葉に詰まった。
弥生には、地元有力者の息子で「自称婚約者」がいる。

が、コイツは学生の頃から、女の子を妊娠させて捨てたり、
弱い者に暴力でケガをさせては
親に尻拭いをさせている、悪魔のような男だった。

弥生はなぜかそのバカ息子に好かれ、つきまとわれている。
綾瀬さんと結婚して、そんな状況から逃げたい気持ちは良くわかる。

でも。わたしだって、綾瀬さんといっしょにやり直したい。
もう一度この町を出て、本当の自分を取り戻すんだ。

そしてトマト農家のひとり娘の恵美だって、きっと同じ考えだ。
彼女は婿をとって実家を継げといわれているが、
父親とひどく仲が悪いため、どうしてもその気になれないでいる。

綾瀬さんと結婚できれば、愛もステキな未来も手にできるのだ。
それを望まない女は、少なくともこの町にはいないだろう。

それからは、弥生、恵美、わたしの女3人で、
綾瀬さんに対する、ぬけがけ合戦がはじまった。

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