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永遠未満-8

「うん!」といって名刺交換をした時、
わたしの頬は、きっとかなり赤かったんじゃないかと思う。

携帯番号が裏書された中野くんの名刺は、その日からずっと、
定期入れの中に大事にしまっておいた。

そして再会の日は、意外と遠からずやってくる。
中野くんに、急なニューヨーク出張が回ってきたのだ。
「チケットを受け取りがてら好きなものをおごるよ」と彼はいう。

わたしは、あるホテルの中華ダイニングを選んだ。
野菜や海鮮料理が、シャキッとしていてどれもおいしい。

「それにしてもすごいなあ、高橋さんのとこは。旅行だけでなく、
 保険とかレンタカーとか、大抵がグループ会社で間に合うんだ」

「よく知らないけれど、バブルの頃の多角経営のなごりだって」
「日本の重工業の底力って、並大抵じゃないよな」
「百年以上の蓄積があるからね。わたしにとっては永遠に近い時間」

チケットを渡す間のそんな固い話題も、アツアツの料理がくると、
コロッと変わって海外での失敗談になった。

「やっぱり、トイレ探しが一番の命題かも」
「見つからないよね。日本みたいに親切な表示ないし」
「でも中国では、見つかっても恐ろしすぎて入れなかった!」

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