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永遠未満-4

永承塾の先生の壮行会には、当然出席の返事を送った。

長嶺先生の家の離れは、欧州製の大きなタペストリーがかかり、
夏でも古いだるまストーブがオブジェとして置かれるなど、
雑誌に載るようなモダンな、でもリラックスできる場所だった。

そしてクラスでは仲が悪かったコたちも、
塾で顔を合わせるうち、いつの間にか仲良くなってしまうような。
そんな不思議な魅力にあふれている集まりだった。

あの頃好きだった、中野くんも来るのかなあ。
物静かだけれど、言葉や行動に思いやりのにじんでいた彼。
今はどんな社会人になっているんだろう。

ひそかに心をときめかせて、1ヵ月後の壮行会を心待ちにした。

その翌日、職場に大手旅行会社の営業マン、仲月さんがくる。
「どうもっ。いつもお世話になっております!」

仲月さんは所長に新しいパック旅行の説明をあれこれと始める。
そのテンションが高くノリのよい話し方は、
漏れ聞こえるだけでも、思わず小さく笑ってしまうほどだ。

年齢もわたしと同じくらいだったから……。
マリッジリングを発見した時は、正直ちょっとがっかりした。

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