お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

冷めたピザのいただき方-8



「あの、この間お世話になった鳥居といいます。ピザのお代と
……これ作ったもので失礼ですが、召し上がってください」

わたしはピザ代入りの封筒とシフォンケーキの箱を渡した。
「どうもすみません。そうだ、ちょっとお茶でもどうですか?」

桐谷さんは一旦奥に入ると
「おやじ、配達の時は携帯鳴らして」
といって、表通りのカフェにわたしを案内した。
いきなり、桐谷さんとお茶なんて。夢のような展開!

「体の具合は、もういいんですか?」
「はい、おかげさまで」
「でも驚きました。いきなり倒れるし、それにスゴイこというから」
「えっ、どうしよう。あの時のこと、あんまり覚えてないんです」

焦りながら聞き返すと桐谷さんは、あからさまにがっかりしていた。
「覚えてないんですか……じゃあ、忘れてください」

「え、そんな、スゴイ気になりますよ。教えてください」
「あのですね『とても会いたかった』っていってくれたんです」

どうしよう。胸がドキドキして……
でも、ここで勇気を出さないと!

「あの、はい……そうなんです。とっても会いたかったんです」
「じゃあ今度の週末、よかったら飲みに行きませんか」

とてもうれしそうに笑った桐谷さんに、わたしはコックリうなずいた。
冷めたピザのおいしい食べ方は、その時にゆっくり聞こう。

お役立ち情報[PR]