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68話 本当の気持ち



パーティの後、小説家の間宮は、まどかに一度だけ電話をかけてきた。
だけど、当たり障りのない挨拶とお礼の言葉を交わしただけだった。
(やっぱり間宮さん、私のこと、好きじゃなかったんだ……)

あれから一ヶ月が過ぎた。
終わったはずの恋なのに、雑誌で間宮の名前を見つけると気になってしまう。
そして今日も、間宮のエッセイが載っている雑誌を買ってしまった。
エッセイには『不器用な作家』というタイトルが付けられていた。
『ある作家が暗い顔をしていた。
最近、好きな女性ができたが、電話をしてもそっけないという。
彼女といる時に、他の女性と話に花を咲かせたことが原因らしい』
(これって、私とのシチュエーションに似てる……)まどかは驚いた。
『彼としては作家の好奇心、仕事の取材のつもりだったらしく、
彼女に嫌な思いをさせたことを、人に指摘されるまで気付かなかった。
どうやって仲直りしたらいいのだろうと悩んでいる』
(もしかして、私のこと……?)
切ない想いがこみ上げてくる。感情に突き動かされるように、まどかは
間宮に電話をかけた。3回目のコールで本人が出た。
「エッセイ、読みました」そこまで言うと、言葉につまった。
沈黙の後、間宮が言った。
「この間はごめん……この電話で仲直りできるかな?」

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