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67話 退屈な時間



奈緒は手作り弁当を持って、司法修習生の濱口の部屋に来ていた。
司法修習生の給料は安いし、勉強の時間を削るわけにはいかない。
お金と時間を節約できる手作り弁当は、濱口に喜ばれた。
「おっ、卵焼き! 懐かしい。子供の頃大好物だった。うん、美味しい」
この卵焼きを完成させるまで、卵を20個も無駄にしたことは内緒だ。
濱口は幸せそうな顔で言った。
「奈緒さんに『付き合おう』って言われて、正直驚いたんだ。
積極的な女性だなぁ、イマドキの都会の人ってこうなのかなって。
でも料理上手だったり、意外に古風で家庭的だよね」
濱口の表情や態度、言葉の端々から、奈緒への好意が感じられる。
(好きな人に好かれるって、幸せ)奈緒は幸せを噛みしめた。

食事が終わるとすぐに、濱口は弁護士の最終試験に向けた勉強を始めた。
弁護士になるためには、司法試験に合格した後に、司法修習生として実務を
勉強して、さらに最終試験に合格しなくてはいけないらしい。
奈緒は読書をしたり、濱口の後ろ姿を眺めたりして時間を潰す。
この数週間、週末はいつも同じパターン。
初めは(好きな人と一緒にいられるだけで幸せ)と思っていた。
だけど、毎週同じことが続いて、奈緒は飽きてきた。
(濱口さんのことは好きだけど。でも退屈……。どうしよう?)

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