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66話 優しさに包まれて



桃子は、ビジネスセミナーで出会った光也からのメール攻撃に困っていた。
全4回のセミナーが終了してからも、毎日のようにメールを送ってくる。
だけど、IT社長の優一郎にメールを無視されて悲しかったことを思い出すと、
光也を冷たくあしらえない。
『オリジナルメニューを開発したんだ。今度うちに食べに来て! 光也』
光也は、世田谷のフレンチレストランで見習いシェフをしているという。
(自分の店を出したいっていう光也くんの料理、食べてみたい)
でも、恋人でもない男性の部屋に、一人で行くわけにはいかない。
翌週、桃子はまどかと一緒に、光也のアパートを訪れた。

光也の部屋は殺風景で、優一郎の豪華なマンションとはまるで違う。
キッチンにたくさんの鍋やフライパンが並んでいるのが、料理人っぽい。
光也は手料理を一品ずつ、フルコースのようにふるまってくれた。
フルーツのサラダや、ゼリーで包んだエビ、野菜をつめたチキンのワイン煮。
「美味しい! このまま高級フレンチの店に出せるよ」桃子は感動した。
まどかも喜んでいる。「ほんと、プロの味だね」
「良かった。仕事でも、お客さまに美味しいって喜んでもらえると幸せで、
そのために料理をしてるんだ」
桃子は、光也の笑顔を見ていると、ホッとする自分に気付いた。
(こんな気持ち、優一郎と一緒にいる時には感じたことなかった)

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