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62話 初めて会った時



今、目の前にいるのは、親友の桃子を泣かせた男だ。
まどかは、IT社長の優一郎にときめいた自分に戸惑った。
優一郎が言った。
「桃子って、俺の機嫌を取るために我慢してるのがミエミエで、
一緒にいると疲れる、って思ってた」
「……桃子は桃子なりに頑張ってたんです」
「恋愛って頑張ってもダメなものはダメなんだよね。相性が大事っていうか。
正直に言うと、俺、最初はまどかちゃんをいいなと思ってたんだ」
優一郎はマティーニを飲み干し、名刺を出した。「今度、連絡ちょうだい」

まどかは覚えている。初めて会った日、優一郎は名刺をくれなかった。
桃子にだけ、携帯の番号とメアドを教えていた。それって——。
優一郎は「じゃあ」と手を振り、合コン仲間のもとへ帰ろうとした。
「ちょっと待って」まどかは優一郎を呼び止めた。
「私、桃子の親友だから」
まどかは、優一郎の名刺をビリビリと破いた。
呆然とする優一郎に背を向け、まどかは会計を済ませ、店を出た。
(あー、すっきりした!)
冷たい夜風が気持ち良かった。

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