お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

61話 マティーニの誘惑



IT社長の優一郎は、まどかの手元にある逆三角形のグラスとオリーブを見て、「マティーニ?」と尋ねた。
「カクテルは、マティーニに始まり、マティーニに終わる。って言うよね」
優一郎はバーテンにマティーニを二つ注文した。まどかと優一郎の分だ。
後ろのソファ席にいる男女が、優一郎を指差して笑っている。
雰囲気から察するに、優一郎は合コンの最中らしい。

「桃子、どうしてる?」優一郎が尋ねた。
「どうしてる……って。桃子にひどいことしたって思ってないんですか?」
まどかは、泣きはらした顔の桃子を思い出した。
「あの時は、本当に仕事だったんだ。システムに問題が起きて、
対策を真剣に悩んでいる時に、ガンガン電話とかメールが入るだろ。
俺の仕事、理解しようとしてくれてないんだなって。……イヤになった」
仕事で苦しんでいる時に、疑うようなメールをもらうのが嫌なのは分かる。
「でも、メールの一本くらい送れたでしょ?
恋人だったら、大切な人を安心させる努力、するべきじゃない?」
「もし、まどかちゃんみたいに、本音で向き合ってくれる子だったら、
ちゃんと連絡したよ」
優一郎はマティーニを一口飲み、まどかを正面から見つめた。
酔っているまどかは思った。(やっぱり、この人カッコイイ)

お役立ち情報[PR]