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59話 瞳をみつめて



奈緒は、銀座の外れにあるメキシコレストランで、
司法修習生の濱口と食事をしていた。
この店はチェーン店だけど、内装が凝っていてムードがある。
濱口はタコスを巻きながら言った。
「まるで本当のメキシコにいる気分です」
「そうですね。って、私、メキシコに行ったことないんですけど」
「僕もありません」
二人は笑った。
濱口は気取ったところが全然なくて、話をしているとホッとする。

急に、濱口が真面目な顔をした。
「日本って頑張ってますよね。いろんな国の料理や文化を取り入れたり。
僕は、国際的な弁護士になりたいんです。
日本人がどんどん世界に進出していく手助けができるように」
(なんて真っ直ぐな人なんだろう)と思った奈緒は呟いた。「素敵ですね」
「え?」
奈緒は濱口の瞳を、じっとみつめた。そしてもう一度繰り返した。
「素敵だと思います」
濱口が赤くなった。男性のわりには肌が白いので、すぐ頬に色が出る。
奈緒は(この人と付き合いたい)と思った。

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