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56話 場違いなパーティ



金曜の夜。まどかは表参道の交番前で、小説家の間宮と待ち合わせた。
間宮はカジュアルなタイプのスーツを着て、時間通りに現れた。
まどかは、テレビマンの森谷に待たされてばかりだったことを思い出した。
(間宮さんは、ちゃんと時間を守ってくれる)当たり前のことなのに、嬉しい。
スーツを着た間宮は、誠実そうに見える。
「スーツを着た間宮さん、初めて見ました」
「あ、そういえば。いつもラフな格好だったね」
カッコイイですよ……そう言おうと思ったけど、タイミングを逃した。

レストランに入ると、着物やドレスを着た女性客が多くて驚いた。
まどかは、自分が着ているベロア風のジャケットとグレーのスカートを眺めた。
「今日、パーティか何かですか? 私の格好、場違いじゃありません?」
「ジャケットは正装の証だし、カジュアルな女性もいるから大丈夫だよ。
それにしても、常連だけを呼んで食事会をやる、って聞いてたんだけど……」
(もう、間宮さんたら。ちゃんとドレスコードを確認して欲しかったな。
そしたら、友達の結婚式の時に買ったサテンのドレスを着てきたのに)
恨めしく思っているまどかに、間宮が男性を紹介した。
「紹介するよ。山口シェフ、ここのオーナーなんだ」
彼は、テレビによく出ているフレンチの料理人だった。
(やっぱり、すごいパーティみたい)まどかは息を飲んだ。

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