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55話 応援できない



桃子が出社してきたので、まどかはホッとした。
失恋したのが嘘のように、はつらつとした表情で桃子が言った。
「優一郎をあきらめるの、やめた」
それを聞いて、まどかは眉間にシワを寄せた。
どう考えても、IT社長の優一郎には、他にも彼女がいるとしか思えない。
部屋にピアスが落ちていたり。
女性と腕を組んで六本木を歩いていたり。
週末に仕事だと言って出かけて、朝まで待っても連絡をくれなかったり。
これ以上、優一郎を追いかけても、桃子が苦しむだけ。
そう思うと、桃子の恋愛を応援する気にはなれない。

奈緒も、桃子の恋愛に反対のようだ。
「あんな遊び人、やめなよ。桃子ならもっといい人が見つかるって」
桃子が首を横に振る。
「優一郎を好き、っていう気持ちが私の中にある以上、どうしようもないの。
だから、無理に気持ちを押し殺すより、違うことに熱中しようと思って」
桃子は、ビジネスセミナーの案内書を二人に見せた。
まどかは納得した。新しい目標を見つけたから、桃子は元気になったのだ。
優一郎との恋愛は応援できないけれど、ビジネスセミナーは応援できる。
(桃子が元気なのが一番)とまどかは思った。

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