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46話 新しい出逢い



奈緒は部長に言われた書類を届けに、虎ノ門の法律事務所に来ていた。
「わざわざ、ありがとうございました」
書類を受け取った若い男性を見て、奈緒は(好みのタイプだわ)と思った。
はっきりとした目に、通った鼻筋。背が高くて、180センチはありそう。
知的で清潔感がある、という点では医者の柿本と似ている。

帰りのエレベーターを待っていると、
さっきの男性が大きなビジネスバッグを手に歩いてきた。
奈緒は自然にほほ笑んだ。「おでかけですか?」
「ええ」と答えた男性の頬が、少し赤くなったような気がした。
二人は駅まで一緒に歩きながら、話をした。
「弁護士のお仕事、大変ですね」
「いえ、ぼく、まだ弁護士じゃないんです。司法修習生なんです」
「司法修習生? 学生さんなの?」
「弁護士資格は取ったんですけど。正式に弁護士になるには、
実務研修と卒業試験を受けなくちゃいけないんですよ。今、その最中です」
駅に着いたところで、男性は名刺を取り出した。
「濱口智和と言います」
堅苦しさの残る言い方が、かえって誠実そうに感じられる。
奈緒の胸は小さくときめいた。

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