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44話 電話をください



夜になると、桃子は再び不安に襲われた。
『仕事が終わったら電話をください。声が聞きたいの。桃子』
そうメールを送ったけれど、忙しいのか、IT社長の優一郎からは
何の返事もない。
(電波の届かないところにいて、メールに気付いていないのかも)
桃子は同じ内容のメールを3回送った。
11時を過ぎても、電話もメールも来ない。
桃子は、自分から電話することを我慢していた。
(もし本当に仕事をしていたら、迷惑だろうし……でも……)

時計が0時を指した。
(こんな時間まで仕事してるの? 日曜なのに?)
桃子は思い切って、優一郎に電話をかけた。
呼び出し音が数回鳴り、留守電に切り替わる。
(電波は届いてる……!)
もう一度メールを送る……やはり返事はない。
桃子は、優一郎の部屋に落ちていたダイヤのピアスを思い出した。
そして、六本木で優一郎の腕にもたれかかっていた女性のことも……。
——桃子の不安が嫉妬に変わった。
桃子は優一郎にまた電話をかけた。
留守電になるたびに、何度も電話をかけ直した。

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