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37話 手料理のメニュー



土曜日の朝、奈緒は目覚めると喉に痛みを感じた。
紅茶で念入りにうがいをし、のど飴を舐めた。
こうすると風邪が早く治る、とテレビで聞いたような気がする。
(せっかく、柿本さんの家に行くチャンスなのに。
風邪でキャンセルなんて、冗談じゃない)

男性に手料理を振る舞う時には、作り慣れているメニューを選ぶのがポイント。
ミエをはって、カッコイイ料理を作ろうとすると失敗する。
奈緒は数少ないレパートリーの中から、銀むつの西京焼きと肉じゃがを選んだ。
柿本は魚が好きだと言っていたし、西京焼きは味付けをしなくていいから安心。
買う店を選んで、焼き加減にさえ気をつければ、絶対に美味しい。
肉じゃがは、男性に人気の定番メニューだから間違いがない。
奈緒はデパ地下で材料を買い、柿本の家へ向かった。

「どうぞ。何もない部屋だけど」
千駄ヶ谷にある柿本のマンションは、ごく普通のファミリータイプだった。
室内は清潔で、埃ひとつ落ちていない。
「綺麗な部屋ですね。柿本さんが掃除してるんですか?」奈緒が尋ねると、
「ママが掃除してくれるんだ」という答えが返ってきた。
(もしかして、マザコン!?)奈緒は買い物袋を落しそうになった。

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