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33話 1000万円の壁



「私は、年収1000万円以上の男としか付き合わない」と奈緒は断言した。
『年収が1000万円』と言われても、まどかはピンとこない。
年収1000万円の男と500万円は、そんなに違うのかな?
お金持ちやエリートと付き合ったことがないまどかには、比べようがない。
お金持ちのIT社長が彼氏の、桃子が言った。
「私は優一郎の顔が好き。好みなの。次に好きなのは、優しいトコ。
収入はあった方がいいけど、必須条件じゃないな」
奈緒が反論する。「でも……東京で結婚して、子どもを2人育てて、
大学に行かせようと思ったら、やっぱり年収が高くないと無理でしょ」
桃子は目を丸くして驚いた。「えー!? 奈緒ってそこまで考えてるの!?」
「当たり前でしょ!」と奈緒が頷く。
まどかは思った。(確かに、お金はあった方がいいんだろうけど。
でも昔、エリートじゃない普通の彼氏と付き合ってた頃、
十分幸せだったけどな……)
『年収1000万円以上』という条件のせいで、奈緒の恋人いない歴が
どんどん更新されているような気がする。

仕事を終え、帰り支度をしていると、森谷からのメールが届いた。
『今日はもうすぐ仕事が終わりそう。食事に行かない? 森谷』
(森谷さんに会える——!)まどかの心は、一気に明るくなった。

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