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30話 強がりの夜



夜、ショッピングから帰った桃子は、家族と一緒に食事をしていた。
「土曜日に桃子が家にいるなんて、珍しいな」父は嬉しそうだ。
桃子は、茶碗を片手に呟いた。
「たくさん買い物しちゃったから、しばらく外食は控えなきゃ」
それを聞いた兄が笑う。「そんな理由かよ」
その時、サイドボードの上に置いてあった桃子の携帯が鳴った。
(優一郎!?)桃子は携帯に走り寄った。
そして、メールのディスプレイを見て、ガッカリした。
『今、小説家の間宮ヒロシと食事中!! すごいでしょ( ^ . ^ )y まどか』
(なんだ、まどかか。間宮って誰よ? 今、オノロケ話は聞きたくないよぉ)
「食事中は携帯をマナーにしなさい」と母に叱られ、ますますブルーになった。

いつ優一郎からのメールが来るか分からないので、携帯を脱衣所に持ち込んだ。お風呂に入ろうとしたちょうどその時、携帯が鳴った。
『連絡できなくてごめん。仕事でトラブルがあって、大変だったんだ』
(良かった……やっと、メールが来た)嬉しさのあまり涙が出そう。
桃子はしばらく考えてから、メールの返事を打ち始めた。
『お仕事お疲れ様。働く男はカッコイイね☆
今日、素敵なお洋服を買いました。見たら、私に惚れ直しちゃうかもよ』
強がりのメールを打つことが、今の桃子にできる精一杯のことだった。

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