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27話 片想いの休日



買い物を終えた3人は、すずらん通りにある紅茶の専門店に入った。
深い色合いのドアを入ると、紅茶の缶がずらりと壁に並んでいる。
螺旋階段があるクラシックな造りは、パリの本店と同じだという。
アールグレイフレンチブルーをカップに注ぎながら、桃子は2人に謝った。
「昨日の合コン、イマイチでごめんね。高島君って性格はいいんだけど……」
まどかは、昨日と前々回の合コンを比べて言った。
「やっぱり、森谷さんとか優一郎さんたちって、ジェントルマンだよね。
いつのまにか料理を取り分けてくれたり、ワインを注いでくれたり……」
そこまで言うと、桃子の沈んだ様子に気付いて
(しまった。優一郎さんのことを思い出させちゃった)と後悔した。
そしてまどかも、森谷に会いたい気持ちを思い出してしまった。
まどかは、会いたい気持ちを、紅茶と一緒に飲み干した。
「私は、柿本さんに出会えて感謝してるよ」奈緒だけが幸せそうだった。

2人と別れてから、まどかは書店に立ち寄った。
落ちこんでいる時や切ない時は、綺麗な風景の写真集を見ることにしている。
『奥入瀬』という写真集に手を伸ばすと、
同じ本を選ぼうとした男性と手が触れた。
「あ、すみません」と言いながら、彼がこちらを向いた。
(あれ? どこかで会ったことあるような……?)とまどかは思った。

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