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21話 料理を取り分けるのは男? 女?



桃子の友人の高島順一が、他の2人の男性を紹介した。
「彼は渋谷和宏。僕と同じ証券会社に勤めてます」
かっちりとしたスーツを着た渋谷が、礼儀正しく頭を下げた。
「こっちは柿本正人。外科医です。僕とは高校時代からの友人」
細身で端正な顔立ちをした柿本が、軽く会釈して微笑んだ。
『まあ、結構いいんじゃない?』まどかと奈緒は、桃子に目配せした。
スピナッチサラダやテリーヌなど、創作イタリアンの料理が並べられる。
ビールで乾杯し、なごやかな雰囲気の中で会話が始まった。

それぞれが当たり障りのない話をし、グラスのビールが減っていく。
でも、誰も料理を取り分けない。
男性は、女性が取り分けてくれるのを待っているし、
女性は、男性が取り分けてくれるのを待っている。
空腹をこらえきれなくなったまどかが、全員にサラダを取り分け始めた。
桃子が『まどか! 何でそんなことするのよ!? それは男の仕事でしょ?』
という非難の視線を向ける。
桃子のグラスは、ほとんど空になっていた。
だけど、男性は気付かないらしく、誰もお替りを勧めない。
(ダメだ、この男たち……)
まどかと桃子の失望をよそに、奈緒と柿本は会話が弾んでいた。

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