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11話 レストランを探して



まどかは不機嫌さを隠して、にっこりと笑った。
「とにかくお腹が空いちゃったので、お店は森谷さんにお任せします」
(すぐに食事できるレストランを探してよね)という遠まわしな要求である。
森谷は悪びれた様子もなく「OK」と答え、どこかの店に電話をかけた。

歩きながら森谷は、今日の撮影の話を始めた。
「泣くシーンなのに、女優さんの目はドライアイみたいにカラカラでさー。
そういう時は、ハッカ棒っていうの使うと涙出せるんだけど、
演技派をウリにしてるもんだから『いや、泣けるからちょっと待って』って。
涙が出るまで、えんえんと待たされたよ」
森谷の話は、新鮮で面白い。
「その女優のせいで、私たちの食事が遅くなったわけですね」
とまどかは笑った。
やがて、森谷は看板も何もない雑居ビルに入っていった。
「こんなところに、お店があるんですか?」
まあね、と森谷はいたずらっ子のように目だけで笑う。
2階のドアには、猫のドアプレートがかかっているだけ。
そのドアを森谷が開けると、中にはビリヤード台やダーツを囲むように、
ゆったりとしたソファが並ぶ素敵な空間があった。
(こんなお店を知ってるなんて、ポイント高い!)まどかは店内を見渡した。

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