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10話 遅刻の理由



携帯電話のある時代に、連絡もなしに1時間も待たされるなんて……。
許せない! 
文句を言ってやろうと、まどかは勇んで電話を取った。
それなのに、森谷の「ごめんね」という声を聞くと、
まどかは「事故かと思って心配しました」と言ってしまった。
どうして女は好きな男に謝られると、許してしまうんだろう。

「本当にごめんね。撮影が長引いて……。
どうしてもスタジオを出られなかったんだ」
まどかの元に駆けつけた森谷は、申し訳なさそうに頭を下げた。
その様子を見たまどかは(さっき電話で文句を言わなくて良かった)と思った。
仕事なら仕方ない。撮影中は携帯の電源も切らなくちゃいけないだろうし。
「おわびに、美味しいもの何でもごちそうするよ。何がいい?」
森谷の言葉に、まどかは驚いた。
「え? お店予約してないんですか?」
金曜の六本木は、人で溢れ返っている。
こんな夜に、予約なしで食事をするなんて……。
待たされておなかはペコペコなのに、これからレストランを探すの!?
(もしかして私、軽く扱われてない?)
まどかは不愉快な思いがこみ上げてくるのを、じっとこらえた。

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