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1話 ときめく出会い



急いでいる時に限って、赤信号にひっかかる。
西麻布の交差点で、瀬川まどかは腕時計を見た。
7時58分——もう1時間近く、桃子と奈緒を待たせている。
信号が変わり、早足で約束の店へ向かう。
やっとビルの入り口にたどり着くと、目の前でエレベーターのドアが閉じた。
(もう……! 今日はつくづくタイミングが悪い)
そう思った時、ドアが再び開いた。
「ありがとうございます」
まどかはエレベーターに駆け込み、ボタンを押してくれた男性に頭を下げた。
「どういたしまして」男性は、爽やかに微笑む。
(やだ、カッコいい!)
まどかの胸は、小さくときめいた。

「何階ですか?」と尋ねる彼のしぐさと、スーツの仕立ての良さから、
若いけれど仕事ができる匂いが漂っている。
「5階です」すでに5階のボタンは点灯している。同じ店に行くらしい。
(どこかで会ったような気がするんだけど……誰だったっけ?)
まどかは階数表示のランプを見るフリをしながら、横目で彼を見つめていた。
そして、エレベーターが5階に着くのと同時に思い出した。
(あ! 雑誌によく出ているヒルズ族の人だ!!)

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