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Good-by ダーリン-2



確かにわたしは、サークルで演出も担当してきた。
それ以外にも会場を押さえたり、大道具の材料の価格交渉をしたりと
我ながら活躍してきたと思う。だけど……。
「意外とフツーに働いているよ」
苦笑いしながら答えたら、持っていた荷物をふいに誰かに奪われた。

「お部屋までお持ちしましょう」
後ろから耳元でささやく声に、
めまいがする。
顔をあげると大学3年の時に
別れた恋人が、
わたしの籐カゴのトランクを持って
立っていた。

「純平!」
後輩の松岡が、彼を呼び捨てにした。
ひどく違和感はあるが、松岡は間違っていない。
彼は3回留年しているのだ。
かつてはわたしの先輩だったのに、
今は1級下の松岡と同学年。

「いいって、荷物ぐらい自分で持つから」
でも純平はトランクを返さずに、先を歩いていった。
わたしの横には、松岡がうつむいて歩いている。
彼女は、まるで昔のわたしみたいだ。

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