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陰陽師 鉄輪恋鬼孔雀舞

かねてよりドラマ・映画化し、多くのファンに支持された大人気作品「陰陽師」(夢枕獏・原作)。今回の作品は、室町時代に生まれた「鉄輪」に想を得た「陰陽師〜生成り姫〜」を元に夢枕獏氏が舞台用に脚本を書き下ろした作品です。
このほど日本舞踊協会による公演が決定、早くも幅広い世代からの注目を集めています。鬼と化した女から呪われる男を安倍晴明が護るというストーリーで、晴明を演じるのは、日本舞踊界きっての若手スター、尾上青楓さん、花柳典幸さん。魅力ある主人公・晴明をダブルキャストでお送りします。
初の通し稽古の直前にお二人に時間を頂き、「創作舞踊」の見どころや魅力についてお伺いしました

 1976年生まれ。尾上流三世家元。二世尾上菊之丞の長男。2歳から父に師事し、1990年には尾上青楓の名を許され、本格的に日本舞踊家としての活動を開始。J-WAVEのDJとして活躍する一面も。

 1969年生まれ。祖父は人間国宝の花柳壽楽、父は故二代目花柳錦之輔。長じて花柳流の三世宗家家元である花柳寿輔師に10年間ほど師事。2002年の勉強会では、兄の錦之輔氏と踊った『粟餅』で舞踊批評家協会新人賞を受賞。

esacala Special Interview

二人の晴明が舞う創作舞踊『陰陽師 鉄輪恋鬼孔雀舞』とは

——まずお訊きしたいのが、創作舞踊と日本舞踊の大きな違いなのですが。

尾上 個人的に言わせて頂くなら、そんなに大きくは変わらないと思います。一般の方が新しい手法の入ったものをご覧になるときには、目新しさの方に注目をすると思うのですが、それは、あくまでも古典の上に成り立っているものなんですよね。基本的な素材は一緒なのですが、それらをどうやってお皿に盛りつけたか。その方法が新しい試みの部分なのです。踊り自体が、あくまでも肉体だけで表現するものですし、古典舞踊が基本になっているものなので、何百年も経つうちにドラスティックにガガッと変わる、ということはないと思います。目線の動かし方、手の動かし方、すべてそれぞれ古典で身についたものを表現しています。新しいエッセンスに関して言えば、前回の舞台で、打ち込みの音楽を使うという試みもしました。舞台の形も、平舞台というフラットなものから、階段舞台など、立体的なものを組んだりもしています。

——流派によって舞踊の雰囲気が違うそうなのですが、お二人のそれぞれの流派の特徴を教えてください。

花柳 最近は、昔より流派同士の交流が盛んになったので、パッと見で「○○流」とはわからなくなったと言われていますが、やはり特徴はありますね。僕は花柳流なのですが、「間」が細かい舞いですね。ひとつの音に対してフリが沢山あって、リズミカルなのが特徴です。

尾上 僕は尾上流なのですが、流派が始まってからまだ約50年。「創造のない伝統はない」という言葉があるように、今の新作が未来の古典になっていくと思いますし、これからも流派の特徴は変わり続けると思います。なので、あえて特徴づけずに踊りを昇華させていければと思っています。

—— 今回の『陰陽師』のように原作がある場合、公演前に予習は必要でしょうか?

花柳 原作をしっかりと読んでしまうと、そのイメージが自分の内側に完成されてしまいますよね?
映画を観る前に原作を読んでしまって、「ちょっと思っていたイメージと違うな」と感じることがあるのと一緒です。それよりも、私共の舞台は、無垢な状態で見て、感じて頂きたいなと思っています。

尾上 基本的には僕も一緒ですね。原作を読んで頂くというのは、舞台を楽しむ為の手助けにはなると思います。でも、何時間もじっくり原作を読み込んで頂くよりは、ざっと流れを知る程度に留めて頂くか、パンフレットを見て頂くほうがいいかなぁ、と。

——今回、安倍晴明を演じることに際して、モットーになさっていることは?

花柳 とにかく、大きく大きく表現したいと思っています。指一本動かすことによって、会場の空気を動かすような存在感をもち、品良くいたいと思っています。それは、どんな舞台においても目標にしていることなんです。

尾上 晴明という役は映画にもなりましたし、多くの人が知っていて、皆さんそれぞれが色々なイメージを持っていると思うんです。それをどうやって壊さずにより良く変えていくかということを第一に考えています。もちろん台詞がないので、言葉では表現ができません。「居る」というだけで、晴明の存在感を出していければ…と思っています。

esacala Special Interview

—— 話は変わりますが、古典の芸能を伝承されている方々の日常や習慣に興味がある読者も多いと思うのですが……。

花柳 よく言われるのは、毎日着物を着ていそう、とか。正座をして御飯を食べそうとか、許婚(いいなずけ)がいそう、とか(笑)。

尾上 あぁ、それ、僕も言われる、言われる!

花柳 でも、そういうのは聞いたことがないですねぇ。

尾上 僕もないなー(笑)。

花柳 ただ、僕たちみたいに周りが肉親なのだけれど、それと同時に師であるっていう関係性は、凄くデリケートな部分でもありますね。稽古場で「これは白」と言われれば「白」と納得します。でも、ガツーンと怒られたときは、家に戻って着物を脱いだときでも、素直に割り切ることが難しいなと思ったり……(笑)。

—— エスカーラ読者に向けてメッセージをお願い致します。

花柳 日本舞踊というと、堅苦しいイメージがあると思うんですけど、普通のお芝居を観る感覚で足を運んで頂きたいし、まして、今回の創作舞踊は古典舞踊と称されるようなわかりにくいものではないので、素直な気持ちで楽しんで頂けると嬉しいです。

尾上 あまり構えずに、創作舞踊の魅力に触れて頂ければ嬉しいです。テレビのチャンネルのボタンを押すくらいのカジュアルな感覚で観て頂けたら…と思います。

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