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case16 宮部麻子 社会人4年目〜

「行っておいでよ。
俺は、土曜も出勤になりそうで会えないし。
楽しんでおいで」

木曜日の昼休み、アツヤからメールがきた。
わたしが月曜に送った、
「今度の土曜日、みゆきからBBQ誘われてるんだけど……」
っていうメールへの返事だ。

「けど……」の後には、
「アツヤも行こうよ」って言葉が隠れていたのに。
いつものようにアツヤは隠れた言葉なんて、
読み取ろうとしてくれない。

そんな彼の素直さに引かれて、付き合い始めて一年が経つ。
彼とは部内で唯一の女性の先輩に誘われて、
初めて行ったトレッキング旅行中に知り合った。
南アルプスの山の中で始めて会話を交わした時、
「なんて都会に汚れていない、いい子なんだろう」と
感動したものだ。

三ノ輪生まれ、三ノ輪育ち。
こてこての江戸っ子だと後で知って驚いた。
本人にそれを言うと、
「江戸っ子なんて、柄じゃないよ」と照れて笑う。
東京で先輩も交えて会うようになり、
気がつくと二人きりで会いたいと思うようになっていた。

でも付き合い始めてすぐ、アツヤは
以前から希望を出していた企画課に転属となった。
「これから忙しくなる」との彼の予言通り、
会える時間はぐんと減った。
週に2回から、月に2〜3回に。
それも、丸一日、一緒にいれることは少ない。
わたしは寂しいんだけど、アツヤはなんだか平気そうだ。

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