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【マネーレッスン】一生独身だったらいくら必要? マンションは買うべき?

ヨダヒロコ/六識

風呂内 亜矢

将来を考えるとき、お金の悩みはついてまわるもの。結婚・出産、転職など、ライフイベントによってマネープランの見直しは必須。だけど、何から手をつければいいのかわからない! そんな働く女子のお悩みを、FP風呂内亜矢先生に相談。知っておきたいお金のキホンや無理なく実践できるテクニックをマスターして。

今回のお悩み

今回の相談者:ちょこさん

「今お付き合いをしている人はおらず、結婚願望もないため、一生おひとりさまでいる覚悟をしています。しかし給料がなかなか増えず、節約も苦手です。今は親と同居をしていますが、このままひとりで生きていくためにはいくらかかるのか知りたいです」

一生独身の場合定年時に必要な貯金はいくら?

編集部 ちょこさんは結婚願望がなく、一生独身のつもりでいるようです。その場合、将来いくら必要になるのか知りたいとのことです。

風呂内亜矢(以下、風呂内) 総務省統計局が出している家計調査で、60歳以上の単身女性が使っている家計の平均額は1カ月あたり約15万円となっています。

これを1年間で計算すると約180万円。現行では年金支給開始年齢は65歳ですから、ちょこさんが60歳で定年を迎えたら、60歳~65歳の5年間の生活費である約180万円×5年間=約900万円は、すべて自分の貯蓄から出す必要があります。

編集部 65歳以降は年金が支給されますが、ちょこさんは年金をどのくらいもらえそうでしょうか。

風呂内 22歳から60歳までの38年間、現在の税込年収200万円で厚生年金保険料をかけ続けた場合、現状ベースの年金制度であれば、65歳からもらえる年金額は年間約115万円になります。

そう考えると65歳以降は、年間約65万円ずつ足りない計算に。仮に90歳まで生きると考えると、65歳から90歳までの25年間で、年金以外に65万円×25年間=約1,625万円の差額が発生します。

つまり、先ほどの900万円と合わせると定年までに最低でも2,525万円ほど準備しておかなくてはなりません。もし退職金がもらえるのであれば、その金額を差し引いた額を貯蓄額の目安にするといいでしょう。

編集部 なるほど、おひとりさまを覚悟するとなると、十分な蓄えが必要になってくるわけですね。

60歳時におひとりさま女性が必要な貯金

・家計調査によれば、1年間に180万円ほど必要
・60歳から65歳の生活費、約900万円はすべて貯金でまかなう必要がある
・年収が200万円のちょこさんの場合、65歳からもらえる年金額は約115万円
・65歳から90歳の25年間で、年金以外に65万円×25の約1,625万円が必要

退職金が出ない場合は900万円+約1,625万円の約2,525万円を定年時に用意しておく必要がある

あわせて読みたい⇒もし一生「おひとりさま」の場合、どれくらい備えておけば安心?

「持ち家」「賃貸」別に見るおひとりさま家計の変遷

編集部 ちょこさんは親と同居しており、現在は家賃や光熱費などを払っていない状態です。いずれ親が亡くなるときが来ますが、このまま独身の場合、家計の変遷はどうなっていくのでしょうか。

風呂内 実家が「持ち家」か「賃貸」かによって家計は大きく変わります。まず「持ち家」パターンから考えてみましょう。

ご両親が亡くなられた後もちょこさんがそこに住み続ける場合、物件の場所やサイズにもよりますが、年間5~10万円の「固定資産税」の支払いが発生します。また家の「メンテナンス代」や、分譲マンションであれば「修繕費」「管理費」など、「住居費」として月2~3万円ほどの出費は見積もっておいたほうがいいでしょう。

さらに「光熱費」や「通信費」、「生活用品代」なども当然かかってきますから、トータルで今よりも月々4~5万円は出費が増えると思われます。

一方、「賃貸」だった場合は、固定資産税やメンテナンス代などがかからない代わりに「家賃」が発生します。三重県に在住とのことですので、ひとり暮らしであれば4~5万円ほどが相場に。もちろん持ち家と同様、光熱費や通信費、生活用品代もかかりますから、月々6~7万円ほど支出が増えるでしょう。

実家が「持ち家」の場合で両親亡きあとのちょこさんの家計

・固定資産税が年間5~10万円
・家の「メンテナンス代」や「修繕費」「管理費」など月に2~3万円
・光熱費や通信料、生活用品代に2~3万円ほど

月々4~5万円の出費が増える

実家が「賃貸」の場合で両親亡きあとのちょこさんの家計

・家賃4~5万円ほど
・光熱費や通信料に2~3万円ほど

月々6~7万円の出費が増える

編集部 つまり、今は毎月の平均貯蓄額が7万円ほどありますが、賃貸に住むとなると、貯蓄ができなくなってしまう可能性もあるわけですね。

それなら、むしろマンションを買ってしまったほうがいいのでしょうか。ちょこさんは貯蓄が800万円以上~900万円未満もありますから、そういう選択肢もあるのかなと思うのですが……。

風呂内 おひとりさま前提で、身の丈に合ったサイズの物件を選びさえすれば、買うほうがお得になるケースは多いです。しかし地方だと家賃も非常に安いので、どちらがいいとは一概には言えません。

あわせて読みたい⇒首都圏ひとり暮らしの「家賃」は手取りの何%ならOK?

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★ちょこさんプロフィール

医療・福祉関連企業で、事務系専門職の正社員として働く、社会人8年目の31歳。三重県在住で、親と同居している。付き合っている彼氏はおらず、結婚願望もない。手取り年収約180万円、手取り月収約16万円。具体的な毎月の貯蓄額は設定せず、月末にあまった金額を貯蓄に回しており、現在の平均貯蓄額は7万円ほど。

まとまった金額が貯まれば、定期預金に回し、現在の自分名義の貯蓄額は、800万円以上~900万円未満。旅行など急な出費があった際にはつい貯蓄に手をつけてしまうこともある。こだわり出費はエステで、月に1回(1回あたり1万円)通っている。

(ヨダヒロコ/六識)

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