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【男女脳の違い】男女で異なる、喜ばれるプレゼントの違い

黒川伊保子

よくある男女のすれ違いやケンカの原因を、「男女脳の違い」から解き明かす本連載「教えてイホコ先生! 男ってなに考えてるの?」。女性が理解できない男性の行動について、人工知能研究者であり、脳科学コメンテーターの黒川イホコ先生が解説&アドバイスします!

恋人で過ごす一大イベントといえばクリスマスや誕生日ですが、どんなプレゼントを渡せば喜ばれるのか、結構悩みますよね。良かれと思って買ったものでも、使われないままタンスの肥やしにされてしまい、ガッカリした人も少なくないのでは?  しかしあなたのセンスが悪いわけではないのでご安心を。実は脳科学上、男女で喜ぶプレゼントは異なるそうです。それでは彼に絶対喜ばれるプレゼントとはどんなものなのでしょうか。

そこで今回は、「男女で異なる、喜ばれるプレゼントの違い」について、黒川イホコ先生にお聞きしました。

男女で異なる、喜ばれるプレゼントの違い

イホコ先生の解説

●惚れあう男女は、センスが食い違う

この連載では、何度かお話ししてきましたが、私たちは、生物多様性の論理にのっとって、感性真逆の相手に惚れるので、惚れあう男女は基本、センスが一致しません。このため、「これなら絶対!」が、静かにタンスの肥やしになるのは、脳科学上、よくあること。そして女性のほうが、彼のプレゼントにそれを感じることが多いのではないでしょうか?

また、同僚女性からのプレゼントの方があなたからのプレゼントよりも、稼働率が高かったりして、ムカつくこともあるかもしれません。でも、それにたいしてあまりがっかりしないでくださいね。あなたのプレゼントがタンスの肥やしになったとしても、ときどきそれを見て、幸せな気分に彼がなっているのは間違いないのですから。

●彼の持っているものを基軸に選ぶ

感性真逆の相手に心に残るプレゼントをしたかったら、「彼がいつも着ているTシャツブランドの新シリーズから一枚」「彼が持っているスーツに似合うネクタイ」のように、彼のセンスを基軸に選べば間違いありません。

我が家の息子は、くすりと笑ってしまうようなエスプリの効いたTシャツの柄にこだわっているので(前面に怖いクマの顔のアップ、背面にクマのお尻のアップとか、背面にクイズ、前面にその答が書いてあるとか)、その類のTシャツを贈ると、かなり興奮してくれます。

●率直に彼に欲しいものを聞くのも手

何を贈ろうか迷ったら、彼に欲しいものを率直に聞くのも悪くありません。女性は、プレゼントに「相手を思う時間」を感じたいので、「何が欲しいか」なんて聞いていきなり問題解決されると、ちょっとしらけるものですが、男性脳は大丈夫。結果重視の男性脳は、プロセスよりも、プレゼントそのものへの評価がしっかり高いのです。

●「ものがたり」が欲しい女性脳

逆に言えば、プロセス指向の女性脳は、「相手を思う時間」を感じたいので、「人気商品を並んで買った」とか「限定商品を予約して買った」とか、手間と心をかけて入手してくれたプレゼントにぐっときます。あるいは、何気ない会話で欲しいと言ったものを覚えていてくれるのも嬉しいですよね。「○○屋のメロンパンが好きって言ってたよね? 近くを通ったから」なんて言って買ってきてくれる一個のパンがどんなに嬉しいか……。

このようにプレゼントに「ものがたり」を欲しがるのが女性脳です。男性には、この喜びがいまいちわからないので、彼がその辺りに無頓着であっても、どうかがっかりしないで。愛情が足りないのではなく、その気持ちを知らないだけなのです。

●「ものがたり」の女性脳、「ものづくり」の男性脳

「ものがたり」といえば、私はよく、ビジネスシーンでの男女脳の特性を指して、「ものがたり」が得意な女性脳、「ものづくり」が得意な男性脳という言い方をします。商品の企画提案をするときに、男性は、機能性を重視します。たとえば、新しい情報端末を開発するときには、「あの機能とこの機能を組み合わせて……」と発想していくわけですね。

事業プランでもそうです。自分たちに得意な事業シーズを組み合わせて、新しいサービス体系を作ろうとします。しかしながら、女性脳は、少し発想が違います。商品やサービスの将来の想定ユーザになりきって、それを使うシーンを想像してみるのが得意なのです。「雨の日に使うとどうなるの?」「人に自慢したくなる、わくわくする機能がほしくない?」「田舎の実家の親と、下宿先の息子。離れ離れの家族をひとつにまとめるとそのサービス、どうなるの?」なんていうふうに。機能性重視では生まれない発想がそこにあります。

プレゼントの嬉しさがすれ違うということは、脳の発想の種類が違うということ。男女で脳の仕組みが違うからこそ、女性脳の発想が、ビジネスシーンで大きなインスピレーションを生むことがあります。

もしも、開発会議が、男性脳型の機能性重視と結果重視の視点で膠着し始めたら、女性脳の「ものがたり」エンジンを作動してみてください。将来の想定ユーザの気持ちになりきってみたら、案外、今までにないアイデアが浮かぶものですよ。

●定番の贈り物作戦

32年前の婚約時代、私の誕生日に何を贈ろうか夫はかなり頭を悩ませていました。そこで、私は「これから、誕生プレゼントは、ずっと手袋にしてね。冷たい風から、私の手を守るのは、一生あなたの役目」と彼に言いました。それからというもの、私の誕生日プレゼントは毎年「手袋」です。

手袋はいい選択でした。黒、キャメル、ベージュなんていうふうにもらっていくと、4年目には黒革の手袋がファンデーションで汚れたりしてまた黒に戻る。ときには「今年はいいわ、お財布にしてね」なんていう年もあったけど、おおむね、手袋は毎年新しくなり、とても贅沢な気分。それに、この仕組みなら、赤や緑のような流行色の差し色の手袋も躊躇なく買えるので、冬の外出で手袋を褒められることがとても多いのです。

それと、母の日には、まな板。樹脂のまな板は、一年に一度は換えたいのですが、きっかけがないと、なんとなく「もう少し使えそう」と思ってしまうもの。母の日にきっぱり新しいのになると気分が上がるので、私が決めた定番です。

毎年買うものが決まっていれば、我が家の理系の男性脳たちは持ち前の勤勉さで、「そろそろデパートに、今年の手袋が出てるよ。色が揃っているうちに行こう」と声をかけてくれたり、「使いやすいまな板」研究をしたりしてくれます。

この定番作戦、逆のパターンにも使えます。彼のお財布は、一生、彼女(妻)が買ってあげる、といった具合に。お財布も種類があるので、プレゼントの回数を重ねる度に、相手の好みがわかってくる利点もあります。

男女脳の仕組みから言えば、「頑張って選んだサプライズ」が気に入る可能性はけっこう低い。夫婦の間では、長い間にネタ切れも起きる。だとしたら、定番作戦で、互いの満足度をあげてみませんか?

<女性がとるべき行動>
・惚れあう男女は基本、センスが一致しない。そのため、あなたの選んだプレゼントがタンスの肥やしになっていても落ち込まない!
・「定番の贈り物」を決める

<NG行動>
・彼から「何が欲しいのか」と、ストレートに聞かれてもしらけない! 男性脳は“プロセス”よりも、“結果(プレゼントそのもの)”への評価が高い

(文/黒川伊保子 イラスト/地獄カレー)

次回の「教えてイホコ先生! 男ってなに考えてるの?~男女脳はこんなに違う~」は、7/18(月)更新予定です。お楽しみに!

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※この記事は2016年07月11日に公開されたものです

黒川伊保子

脳科学の見地から「脳の気分」を読み解く感性アナリスト。「市場の気分」を読み解く感性マーケティングの実践者であり、「男女脳の気分」を読み解く男女脳論の専門家、「ことばが脳にもたらす気分」を読み解く語感分析の専門家でもある。人工知能(AI)エンジニアを経て、2003年、世界初の語感分析法サブリミナル・インプレッション導出法を発表、独自の感性分析術が注目を浴び、感性研究の第一人者となる。

脳の研究からくりだされる男女脳の可笑しくも哀しいすれ違いを描いた随筆や恋愛論、脳機能から見た子育て指南本、語感の秘密を紐解く著書が人気を博し、日本テレビ「世界一受けたい授業」をはじめ、フジテレビ「さんまのホンマでっか!? TV」など、TVやラジオ、雑誌で活躍。

近著に「恋愛脳」、「キレる女 懲りない男」、「英雄の書」などがある。

株式会社感性リサーチ
http://www.kansei-research.com/

オフィシャルサイト
http://www.ihoko.com/

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