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【男女脳の違い】彼氏にほっとかれた際、女性がとるべき行動とは

黒川伊保子

よくある男女のすれ違いやケンカの原因を、「男女脳の違い」から解き明かす本連載「教えてイホコ先生! 男ってなに考えてるの?」。女性が理解できない男性の行動について、人工知能研究者であり、脳科学コメンテーターの黒川イホコ先生が解説&アドバイスします! 

仕事が忙しい男性が彼女を顧みずに働くと、女性はつい「仕事と私(家庭)どっちが大事なの!?」と言ってしまいがちですよね。だけどその言葉、さらに男性を追い詰めるどころかまったくの見当違いなのを知っていましたか? 男性は脳の仕組み上、仕事で息詰まると人間関係(彼女や家族)まで気が回らないそうなのです。

今回は、「人間関係と仕事」に関する男女の脳の違いについて、黒川イホコ先生にお聞きしました。

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イホコ先生の解説

●男は“遠くにあるもの”に意識が行く

 

「俺の女」になったサイン男性が彼女(妻)よりも社会性の高い会社や友人関係を優先するのは、実は男性脳が得意とする「奥行き認識」と関係しています。「奥行き認識」とは、距離感を図る能力ともいえます。さて、こちらの詳しい説明に入る前に、まずはヒトの一般的な脳の作りについて少しお話しさせてください。

ヒトは距離を測るときに、右目に映った画像と、左目に映った画像の差から計算しています。「音」も同じで、右耳から入ってくる音と、左耳から入ってくる音のズレから、音の発信源の位置を特定し、壁の反響音で空間の広さや自分の位置を把握しています。つまりヒトは、左右の感覚器に入ってくる情報の差から、空間の広さや距離感を知るわけです。

しかし右脳と左脳を連携する神経線維の束=脳梁が、女性より細く生まれついてくる男性脳は、生まれつき右脳と左脳の連携が悪いので、情報が混じらないよう奥行きをはかりたがります。この脳の仕組みの傾向が、男性の人間関係に関係してくるのです。

男性脳の「奥行きをはかりたがる」特徴ですが、赤ちゃんの頃から見られます。女児が「目の前の動きが緩慢なもの」に興味を引かれるのに対し、男児は「自分から離れていくもの(あるいは近づいてくるもの)や遠くにあるもの」に興味を引かれる傾向にあるのです。また「自分とものの距離を測り、遠くにあるものほど興味を引かれる」のは、男性が長らく狩りをしてきた性だからともいえます。

近くにあるものに意識が行かず、遠くにあるもの(奥行きのあるもの)に意識が行く男性脳は、「目の前にあるものが目に入らない」といったことがしばしばあります。たとえば冷蔵庫の中にあるものを取ってくるよう頼んだとき。頼んだものは見つけ出せないのに、奥にある賞味期限切れの食品だけは探し出してきたりします。(苦笑)

●「俺の女」になるということ

さて本題に戻りましょう。この「遠くを優先する」男性脳の仕組みは、物理空間だけじゃなく概念空間でも適用されます。つまり、客観性が高く社会性が高いほうを優先し、手前にあるものには意識さえ届かないのが男性脳なのです。そのため男性脳の優先順位は「会社→友だち→彼女(家族)」の順に高くなります。

というわけで、彼が「あなたとのデート」よりも「友だちの飲み会」を優先したら、それはあなたが彼の脳の中で「俺の女」になったということ。「大切にしていない」のではなく、あなたをより近くに感じている証拠なのです。そして社会性の極みである仕事を、彼女(家族)より優先するのは、彼にとって当然。当然過ぎて説明する必要もないと思っています。だから彼が、仕事を優先し、ましてや「遅くなる」などの連絡をさぼるとしたら、それはもう彼にとってあなたは「一心同体」と思われているのです。

●「どっちが大事?」と聞いてしまう理由

一方、女性脳の優先順位は、「彼(家族)→友だち→会社」の順。社会人としての責任を果たすため事実上は仕事を優先しますが、気持ちの上では彼や友だちのほうを大切に思っています。そのため、相手へのフォローとして丁寧に事情を話したり、密に連絡を入れたりと、気を使います。

そう、女だって、仕事が大事なのです。だけど相手を気遣いきちんとフォローを入れることを忘れないため、気遣いもフォローもない男性の行動に憤慨してしまうのです。

●本当に聞くべきこと

だからといって「仕事と私、どっちが大事!?」といった質問はやめましょう。だって女性が本当に求めているのは男性からの「丁寧な事情説明や、密に連絡をくれること」なのですから。女性は「どっちが大事!?」といった不毛な質問をするのではなく、フォローの言葉や連絡をくれるよう伝えましょう。

「愚痴でいいから、仕事の大変さを教えてほしい。何も言ってくれないと、蚊帳の外にいるみたい。私は、あなたの人生の仲間じゃないの?」といった具合に。

とはいえ男性脳は、「自己憐憫(自分で自分をかわいそうだと思う)」することが少ないため、「仕事の大変さ」と言われてもそう簡単には話してくれないかもしれませんが。

●男らしい男性脳に愛されたら

「自己憐憫」を自覚せず、一途に苦境を切りぬいて行く男は、素晴らしい英雄脳の持ち主ですが、女性から見たら「何も言ってくれない、教えてくれない相手」に見えるものです。たとえばウルトラマンに彼女がいたら、相当腹を立てていることでしょう。というのも、どんなに死闘を繰り広げて子どもを守ったとしても、その話を彼女にしないでしょうから。

というわけで、男らしい男性脳の持ち主である男性に愛されたら、なんの事情説明もなく放っておかれることを、覚悟しましょう。放っておかれても、淡々としていることが一番。「気を使わなくても、それなりに機嫌よく生きていてくれる女性」の方が、男らしい男性脳にとってオアシスのような存在です。ちなみに女性のそうした態度が結婚を決めた理由になったという男性は意外に多いらしいですよ!

彼氏にほっとかれた際に女性がとるべき行動とNG行動

<女性がとるべき行動>
・デートより、友だちとの飲み会を優先されたら「彼の女」になった証拠。その事実を受け入れ、文句を言わない
・放っておかれても、淡々としている

<NG行動>
・「仕事と私、どっちが大事なの!?」と責める
・仕事を優先する彼につれない態度をとる

(文/黒川伊保子 イラスト/地獄カレー)

次回の「教えてイホコ先生! 男ってなに考えてるの?~男女脳はこんなに違う~」は、4/25(月)更新予定です。お楽しみに!

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※この記事は2016年05月09日に公開されたものです

黒川伊保子

脳科学の見地から「脳の気分」を読み解く感性アナリスト。「市場の気分」を読み解く感性マーケティングの実践者であり、「男女脳の気分」を読み解く男女脳論の専門家、「ことばが脳にもたらす気分」を読み解く語感分析の専門家でもある。人工知能(AI)エンジニアを経て、2003年、世界初の語感分析法サブリミナル・インプレッション導出法を発表、独自の感性分析術が注目を浴び、感性研究の第一人者となる。

脳の研究からくりだされる男女脳の可笑しくも哀しいすれ違いを描いた随筆や恋愛論、脳機能から見た子育て指南本、語感の秘密を紐解く著書が人気を博し、日本テレビ「世界一受けたい授業」をはじめ、フジテレビ「さんまのホンマでっか!? TV」など、TVやラジオ、雑誌で活躍。

近著に「恋愛脳」、「キレる女 懲りない男」、「英雄の書」などがある。

株式会社感性リサーチ
http://www.kansei-research.com/

オフィシャルサイト
http://www.ihoko.com/

『女の機嫌の直し方』(インターナショナル新書) 著書コメント:「女性脳のトリセツ完全版。彼氏に「私のトリセツ」と贈ってほしい。きっと優しくなります」

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『アンドロイドレディのキスは甘いのか』(河出書房) 著書コメント:「人工知能と人類の付き合い方を説いた一冊。女性AI研究者が見つめてきたAIの真実」

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