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【女の嘆き】夢を追うのに必死な彼……どうしたら結婚モードに変わってくれる?

三吉野愛子

「あの子っていいなぁ! 私なんて……」「今、私ってどう見えてるんだろう」など、他人と比較して自己評価が下がったり、同性・異性の目に自分がどう映っているかを気にしすぎたりすること、ありますよね。心理コーディネーター・三吉野愛子が、そんな複雑な女ゴコロを解説し、嘆きの処方箋を出します。自分らしく輝いて生きるヒントをチェックして!

<今回の嘆き>
付き合っている彼がいるのですが、独立起業を考えているそうです。土日は起業セミナーや異業種交流会に参加し、平日の夜はスカイプでのコーチングを受けるなど、ずいぶん熱心に取り組んでいる様子。「サラリーマンを一生やるつもりはない」と豪語する彼の夢を応援したい気持ちはありますが、彼が起業に熱を入れれば入れるほど、両親に紹介するときのハードルが上がっていくように感じます。このまま彼の成功を待っていたら、私は婚期を逃してしまうのではないでしょうか。こんな私は新しい出会いを探すべきでしょうか?

彼が安定した経済基盤を持った成熟した大人の男性ではなく、これから会社を辞めて不安定な起業家になるのでは、自信を持って両親に紹介できないということですね。一般的な考え方では、それも一理あるのですが、安定した結婚生活を実現するカギを握っているのは、本当に彼の側だけでしょうか。彼が夢を追う起業家でも、多忙で高収入の経営者として成功しても、起業を思いとどまってサラリーマンのままでも、安定して変わらぬ愛と信頼を示せるかどうかを問われているのは、実は彼女のほうかもしれません。

伴侶として選んだ相手を両親に認めてもらうことが、結婚のゴールではありません。結婚生活における本当の幸せや醍醐味は、第三者にはわからないことも多々あります。結婚とは、2人の異なる人間がそれぞれの人生の物語を進行させながら、刺激や学びを与え合い、健やかに暮らすための知恵をもちより、それぞれの人生の物語を交差させつつ生活基盤をともにする営み。当人同士以外の人に認めてもらうことに必死になって、自分が相手の人生の物語の脇役ばかりを演じたり、逆に自分の理想の人生の物語を相手に強いたりするのでは、かけがえのない2つの人格の出会いが味気ないものになってしまいます。

柔軟性のない価値観(しかも親から受け継いだものそのままの状態)に、がんじがらめになった結婚話は暗礁に乗り上げてしまうので、壁にぶつかるたびに、「世間一般の考え方や、それぞれの親の考え方はさておき、私たちはどうしたい?」「私はこうしたいけど、あなたはどうする?」などという話し合いを展開することが必要となります。「どうして、あなたは〇〇してくれないのよ」と恨めしい面持ちで詰め寄るのは、自分の人生を他人に預けすぎ(依存しすぎ)なのでほどほどに。

女の嘆きの処方箋

その1 ありのままの彼を愛せるかどうかを自問してみる

あなたの理想の夫のモデルとなっているのは、もしかして自分のお父さんではないですか。社会的な立場や稼ぎがあるお父さん、浮気もせず妻を大事にするお父さん、家族を一番に考えるやさしいお父さん、共働きで妻と家事を分担してきた元祖イクメンのお父さん。お父さんが努力家で誠実で立派で尊敬できる方で、お父さんのおかげでなんとか家族がやってこられたと思っている女性の多くは、周囲の男性に対して厳しい視線を向けることがあります。「うちのお父さんなら当たり前にできることなのに、どうして彼はできないんだろう」「お父さんのようになってくれないと、私が幸せになれないじゃない!」と。

しかし、お父さんのおかげで幸せになれたのは、子どもという立場の自分です。大人の女性としてひとりの男性と一緒に人生を歩んでいくときには、無条件に愛され守られることだけを望むだけでなく、相手を無条件に愛し守る力を発揮していく必要があります。ありのままの彼を愛せるか、その覚悟があるか、自分の心に静かに問いかけてみてくださいね。

その2 自分の望みを言葉にして伝えてみる

彼に対して不安や不満があったり、自分がやりたいことがあったりしても、それを言葉にして伝えていない人は案外多いものです。彼女が表明していないことを、彼が自ら察して的確に応えるのは至難の業。ここは、きちんと言葉で伝えてあげるのが親切です。

言葉にして気持ちを伝え、自分の望みを言うこと。それは、オーダー(注文)に似ています。「私はこれこれこういうことを実現したいんだけど、こんなことに困っているの。この状況に対して、あなたのサポートや協力がほしいんだけど」というオーダーをすれば、相手はできることとできないことを教えてくれるはず。人間関係のオーダーは、決まったメニューがあるわけではないので、とてもクリエイティブで臨機応変な側面があります。だから、オーダーがそのまま通らないときも、もちろんあります。

オーダーが通らないときに、あなたのもとに返ってくるのは、“そもそも自分で取るべき責任だった”ということもあり得ます。特に、起業家志望の彼にサラリーマンのままでいてほしいとか、何歳までに子どもを産み終えたいとか、そういうことは基本的に自分側の願望なので、どうしても叶えたい場合には自分自身で決断をしなければならないこともあります(起業家志望でない安定志向の彼を見つける、または結婚や子どもを持つことを強く望んでいる男性と付き合うなど)。

とはいえ、「私を愛しているなら、彼はこうすべきなのに!」と、自分の常識に縛られてイライラするよりは、まずは気軽にほしいもののオーダーをしてみましょう。その返答の内容や、彼の態度をもとに次のアクションを考えるほうが、ひとりで悶々と苦しむよりも建設的です。

※画像はイメージです

(心理カウンセラー:三吉野愛子)

※この記事は2016年03月28日に公開されたものです

三吉野愛子

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、現在、心理カウンセラーとして活動中。

●三吉野愛子カウンセリングオフィス ブログ
http://blog.goo.ne.jp/dearlife_2015

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